日本消化器内視鏡学会雑誌
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肝生検用新止血剤の臨床的検討
桜林 忍吉益 均杉浦 玄西里 吉則斉藤 利彦芦澤 真六
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1988 年 30 巻 10 号 p. 2249-2256_1

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抄録
新しく開発された肝生検用止血剤(Gelatin-powder,ヒトトロンビン,凝固第XIII因子から成る配合剤)を肝疾患107例に使用し,その止血効果について検討した.本止血剤は止血剤を用いなかったcontrolと比べて明らかな止血時間の短縮と良好な肝表面の止血状態を示した.特に腫瘍生検を行った肝細胞癌2例,転移性肝癌3例においては完全に止血出来た.副作用(発熱,発熱日数,疼痛持続日数,S-GPTの上昇)については,生検回数別に本止血剤,ゼラチンスポンジ,controlとを比較検討した.その結果,本剤にはゼラチンスポンジ,controlと比べて問題となるような副作用は認めなかった.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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