日本消化器内視鏡学会雑誌
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副膵管領域に限局した膵石症の1例
奥村 信義武山 直治神間 修早川 哲夫酒井 雄三
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1988 年 30 巻 4 号 p. 766-770

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抄録
ERCPにより副膵管の分枝にのみ膵石が存在した慢性膵炎の1例を報告した.症例は57歳の男性で昭和61年11月の検診にて上部消化管造影に異常を指摘され,当院にて再検した.この時十二指腸の内方に石灰化を指摘された.腹部CTにて膵鈎部に石灰化がみられ,ERCPでは副膵管の狭窄とその狭窄部より膵鈎部へ向かう分枝に膵石が認められた,本例は先天的あるいは後天的な副膵管の狭窄により,その部に連なる膵管分枝に膵液のうっ滞が生じた結果膵石が形成されたと思われる.膵石形成機序を考える上で示唆に富む症例であった.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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