日本消化器内視鏡学会雑誌
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膵嚢胞腺腫の2例―超音波内視鏡の有用性について―
辰巳 嘉英光藤 章二西田 博藤野 博也時田 和彦川本 克久古谷 慎一辻 秀治高升 正彦布施 好信児玉 正瀧野 辰郎山岸 久一岡隆 宏
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1988 年 30 巻 5 号 p. 992-998_1

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抄録
超音波内視鏡が嚢胞の性状の鑑別に有用と考えられた膵嚢胞腺腫の2例を経験した.症例1は,一部径約2cm以下の複数小嚢胞を含むが,大部分は海綿状構造をとる膵体尾部の病変で,組織は良性であり,膵嚢胞腺腫(microcystic)と考えられた.症例2は,径約1~3cmの多数の嚢胞よりなる膵頭部の病変で,組織は良性であり,膵嚢胞腺腫(megacystic)と考えられた.両症例とも,腹部超音波・腹部CT・超音波内視鏡・ERCPを施行したが,なかでも超音波内視鏡は,両病変の内部構造を明確にとらえ,症例1では,複数の小嚢胞と高・低エコー混合像を,症例2では,比較的大きな多数の嚢胞をそれぞれ明瞭に描出した.膵腫瘍性嚢胞は,Compagnoらにより,漿液性の内容を含む多数の小嚢胞よりなる良性のmicrocystic adenomaと粘稠な内容を含む比較的大きな嚢胞よりなり悪性もしくは悪性化傾向をもつmucinous cysticneoplasmに分けられているが,症例1は前者,症例2は,後者にあたり,これらを鑑別する上で超音波内視鏡が有用であった.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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