日本消化器内視鏡学会雑誌
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TV-Peritoneoscopeの臨床的評価
井戸 健一人見 規文礒田 憲夫谷口 友志大谷 雅彦川本 智章吉田 行雄木村 健
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1988 年 30 巻 9 号 p. 1937-1941

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抄録
スコープの先端にテレビカメラとして高性能固体撮像素子(Charge Coupled Device,CCD)を組み込んだTV-Peritoneoscope(東芝一町田)が開発された.スコープ先端の対物レンズにより結ばれた像(光信号)はCCDにより電気信号に変換され,Video Processorを通じてテレビモニターに映像が送られるシステムである.この新しい試作TV-Peritoneoscopeを10症例に臨床使用を行い,以下の結果を得た.1.TV-Peritoneoscopeの画像は,レンズ系の腹腔鏡接眼部に同一性能のCCDカメラを装着した場合の画像よりも鮮明で,高い解像能を有していた.2.視野方向が側視であるため視診範囲が広く,且つ肝表面の正面視が容易であった.3.スコープの外径が10mmであるため,従来の腹腔鏡のtrocarをそのまま共用できる.従ってルーチン検査の一部としてTV-Peritoneoscopeを用いた腹腔鏡検査が施行可能である. 以上,この新しいTV-Peritoneoscopeにより,レンズ系の腹腔鏡では困難であった様々な画像処理及び画像解析が可能となり,腹腔鏡の新しい分野の発展が期待できる.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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