日本消化器内視鏡学会雑誌
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胃梅毒の1例
窪山 信一板野 哲田中 信平吉村 篤河原 敏彦入江 章佐野 幸寛日高 令一郎佐々木 英豊永 純谷川 久一中野 龍治
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1989 年 31 巻 1 号 p. 110-115_1

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抄録

 症例は,28歳男性,心窩部痛,嘔気を主訴に受診.胃X線検査にて,胃角の開大と前庭部の狭窄像が見られ,胃内視鏡検査にて,胃体部より胃前庭部にかけてびまん性に地図状不整潰瘍やビラン,及びその間に散在性の顆粒状変化を認めた.入院時検査にて血清梅毒反応は強陽性であり,また,H2受容体拮抗剤による初期治療に反応せず,胃X線検査所見,胃内視鏡検査所見,胃生検組織像での非特異的炎症所見などにより胃梅毒を疑い駆梅療法にて完治せしめた.内科的治療により完治し,治癒過程を内視鏡的に観察しえた胃梅毒の1例を経験したので文献的考察も含めて報告する.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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