教育メディア研究
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伝達経路を基に情報の信頼性を判断する思考を育成する学習プログラムの開発と評価
村井 明日香堀田 龍也
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2017 年 24 巻 1 号 p. 27-41

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抄録
10代の若者の間ではソーシャルメディア経由で情報を得ることが日常的になっている一方で,ソーシャルメディア経由の情報の特性に着目をしたメディア・リテラシーの学習方法は確立されていない。ソーシャルメディア経由の情報は一次情報が多い一方で,情報が多数の媒介者を経由して届き,受け手にとって一次情報を持っている人が誰かがわかりにくくなっている場合も多い。このようなソーシャルメディア経由の情報の信頼性を判断するためには,まず情報の伝達経路を想像し,その上で伝達経路上の媒介者の信頼性を判断する思考が必要であると考えられる。そこで,「伝達経路を基に情報の信頼性を判断する思考」を育成する学習プログラムを開発し,都内の大学で検証授業を行った。「伝達経路を基に情報の信頼性を判断する思考」を〈技能〉と〈傾向性〉に分けて効果を検証した結果,それぞれ一定の効果が確認できた。一方で,〈技能〉と〈傾向性〉の学習効果が出るのは時間差がある,または異なる育成方法が求められることも示唆された。
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© 2017 日本教育メディア学会
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