抄録
拡大内視鏡レベルでの十二指腸粘膜パターンを,Isolated pattern, Connected pattern, Atrophic patternの3型に分類した. 正常対照,発赤型・ビラン型十二指腸炎,粘膜粗慥型十二指腸炎では,順次Isolated pattern,Connected pattern,Atrophic patternが多くを占め,十二指腸炎例でvilliの融合・平低下がみられた.また生検組織学的には,発赤型・ビラン型が炎症細胞浸潤の高い状態であるのに対し,粘膜粗慥型は,慢性変化の胃上皮化生が高度な状態であった. 十二指腸粘膜内Cu-Zn SOD量では,十二指腸炎例は,対照と十二指腸潰瘍の中間的な値を示し,ビラン型では潰瘍に近い低下を示した.また,十二指腸炎症例では,粘膜細胞回転が亢進する傾向がみられた.