日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡的ポリペクトミーにより切除しえた早期十二指腸癌の1例
老子 善康西村 浩一村田 高志米島 学
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1989 年 31 巻 10 号 p. 2704-2708_1

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抄録

 症例は71歳男性,食欲不振にて来院.2年前約10mmの十二指腸腺腫を指摘されるも放置.上部靴管X線検査及び内視鏡検査にて,十二指腸球後部壁に約15mmの山田III型の隆起性病変を認め,内視鏡的ポリペクトミーによる切除を行った.組織学的には,2年前にはその部分生検にてGroupIII(Adenoma)と診断され,今回の切除標本では,粘膜内にとどまる早期癌で高分化型から中鞭分化型腺癌が混在し間質浸潤は認めなかった.以上より,内視鏡的ポリペクトミーによる根治が可能と判断した. 本症例とともに,本邦で報告された早期十二指腸癌58例の診断,発生母地,治療法について検討した.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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