日本消化器内視鏡学会雑誌
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最近経験した回盲弁LipohyperplasiaとLipomaに関する検討
清原 達也石川 秀樹今西 清竜田 正晴大谷 透奥田 茂石黒 信吾
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1989 年 31 巻 12 号 p. 3238-3247

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抄録

 最近当院にて経験した回盲弁lipohyperplasia3例,lipoma1例の内視鏡所見および注腸CT所見を検討した.lipohyperplasiaは内視鏡的には回盲弁の軟らかいび慢性肥大として,またlipomaは限局性の粘膜下腫瘤として観察されることが多い.特徴的な内視鏡所見に加えて生検により粘膜下に脂肪組織を証明できれば確定診断が可能であるが,生検にて粘膜下組織を採取することは困雄なことが多い.回盲弁lipohyperplasiaとlipomaの診断には,微温湯などを用いた注腸CTが有用で,fat densityを有する腫瘤または回盲弁肥大像を認めれば診断可能である.回盲弁のlipohyperplasiaとlipomaはいずれも良性疾患で,回盲部の疼痛,圧痛などの回盲弁症候群を呈さない場合には臨床的には経過観察のみでよいと考えられる.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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