日本消化器内視鏡学会雑誌
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吐血を主訴として来院した胃のvanishing tumorの1例
日野 直紀山本 博千先 茂樹脇谷 勇夫平田 和文島村 淳之輔土居 偉嵯雄矢野 慧
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1989 年 31 巻 12 号 p. 3259-3263_1

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抄録
 症例は82歳男性で吐血を主訴として来院.緊急内視鏡検査で,胃穹窿部に凝血塊が付着した不整形潰瘍を伴う粘膜下腫瘍様病変を認めた.非上皮性悪性腫瘍を疑い潰瘍部およびエタノール局注による人工潰瘍部を頻回に生検したが,組織学的には特異な所見は得られなかった.約1カ月後の内視鏡検査で腫瘤が消失したため胃のvanishingtumorと考えた. 最近アニサキスを胃のvanishing tumorの原因とする報告が増加している.本例は免疫電気泳動でアニサキス抗体は証明されたが,組織学的にはアニサキスとの関連を明らかにすることはできなかった.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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