日本消化器内視鏡学会雑誌
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生検組織の塗沫標本より結核菌を検出した大腸結核の2例
中村 真一屋代 庫人長廻 紘佐藤 秀一飯塚 文瑛小幡 裕鈴木 茂勝呂 衛勝呂 弥生
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1989 年 31 巻 12 号 p. 3312-3315_1

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抄録

 生検組織の塗沫標本より結核菌を検出し腸結核と診断し得た2例を経験した.症例1は29歳,女性.難治性下痢を主訴に来院.コロノスコピーで回盲弁の腫大とその近傍に辺縁が整な潰瘍を認め,潰瘍辺縁の粘膜より生検した.症例2は54歳,男性.発熱,右下腹部痛を主訴に来院.コロノスコピーで盲腸にひび割れ状の発赤を認め,同部位より生検した.両症例とも生検塗沫標本に抗酸菌染色を施行したところ結核菌を検出し腸結核と診断した. いずれの症例も内視鏡所見は必ずしも結核に定型的なものではなく,生検塗沫標本の抗酸菌染色が診断上有用であった.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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