日本消化器内視鏡学会雑誌
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新たに開発したファイバースコープ付き截石鉗子
諏訪 敏一平形 征佐藤 忠敏林田 和也遠山 信幸奥井 勝二
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1989 年 31 巻 2 号 p. 483-489

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抄録
胆道ファイバースコープを改良し,先端部に結石把持用の鉗子を付けた装置を試作した.本装置は全長610mm,外径6.2mmで先端は,8.0mm×4.6mmの二葉の鉗子片から構成されており,中央部にライトガイドと観察窓,送水孔がある.鉗子操作部は接眼部近くに設置し,先端の鉗子部分に強大な力が加わるように工夫した.鉗子は90度まで開き,結石を破砕し截石を容易にしてある.1986年10月から,1988年2月までに17症例の総胆管結石に本装置を使用し,特別な合併症なく,全例,截石に成功した.使用方法は,手術時に総胆管切開をしたものが15例,経皮経肝経路からのものは2例であった.本装置は,鉗子部分を大きくし,把持力,破壊力を増強してある.使用に際しては,結石を視野の中心にとらえ,鉗子を閉じればよく,特別なコツや修練などは必要とせず,手術時間の短縮,患者負担の軽減に役立つ装置と考えられた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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