抄録
臓器反射スペクトル解析法を用いて18名の健常人において,喫煙の胃粘膜表層血行動態に及ぼす影響とこれに対するプロスタグランディンE1の誘導体(ミソプロストール),H2受容体拮抗剤(シメチジン)の効果を検討した.その結果,ミソプロストール投与群では喫煙による胃粘膜血液量及び粘膜ヘモグロビン酸素飽和度の低下を抑制した. 一方,シメチジン投与群では喫煙後の変化を抑制する傾向にあったがプラセボ投与群のそれと有意差は認められなかった.血清中のアドレナリン,ノルアドレナリン,ニコチンには喫煙前後において3群とも有意な変化は見られなかった.以上の成績よりプロスタグランディンE1誘導体(ミソプロストール)の前投与は喫煙による胃粘膜虚血及び低酸素状態を予防し,喫煙のヒト胃粘膜血流低下の機序としてプロスタグランディンの関与が示唆された.