日本消化器内視鏡学会雑誌
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十二指腸球部血管透見像の内視鏡的検討
金沢 雅弘岩下 悦郎竹原 正信土居 利光渡辺 圭三野村 勉林 琢也力武 幹司小林 正彦川口 淳永尾 重昭宮原 透丹羽 寛文
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1989 年 31 巻 3 号 p. 652-659

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抄録
 十二指腸球部にしばしばみられる血管透見像は,炎症の一表現であるともあるいはBrunner腺の菲薄化と関係があるとも言われている.その本態の解明をめぐって,今回ズーム式電子スコープを用いて拡大観察を行ない,その動的な面を含めて検討を加え,以下の結論を得た. 1)血管透見像は送入空気量のいかんで著明に変化し,空気量を大とし十二指腸壁を十分伸展させていくと血管透見像も樹枝状により明瞭に現われてきた. 2)血管透見部を拡大観察してみると,血管は絨毛と絨毛の間のすきま(絨毛間隙)に透見され,絨毛の先端部分では認められなかった. 3)空気を徐々に抜いていくと絨毛間隙も徐々に狭まり,やがてその部には血管が透見されにくくなった.また逆に徐々に空気量を増加させていくと絨毛間隙も徐々に開き,再び血管が透見されてくるようになった. 4)絨毛形態との関連では,指状絨毛では比較的透見されやすく,回旋状絨毛では透見されにくい傾向がみられた.葉状,尾根状絨毛では関連性が認められなかった. 5)十二指腸潰瘍(瘢痕,ridge上を含む),発赤・びらんを主体とする十二指腸炎における病変部ならびにその周辺では血管透見像は観察されなかった. 以上より,血管透見像は炎症の存在を示唆するものではなく,球部粘膜の伸展性,特に絨毛間隙の増大に大きく関係する正常所見の1つであると考えられた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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