日本消化器内視鏡学会雑誌
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16mmフイルムによる電子スコープ画像の記録について
小林 正彦土居 利光金沢 雅弘足立 洋祐野村 勉岩下 悦郎川口 淳永尾 重昭宮原 透丹羽 寛文
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1989 年 31 巻 6 号 p. 1494-1498_1

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抄録

電子スコープの静止画像の記録に16mmフィルムを用いて,得られた画像が,フィルムについての検討に十分堪え得るものであるか否か検討した.このための指標として,フィルムについての解像力をとりあげ,その目安としてTVモニターの走査線の識別の状況を採用した.また,TV走査線数をもとにして,走査線の識別に必要とされる絵素数を計算した結果,16mmフィルムの絵素数はこれを十分満たすことがわかった.さらに市販の内視鏡用16mmフィルムのMTF特性と解像力からの検討でも,TV走査線はフィルム上で完全に区別できることがわかった.実際の症例について35mm並びに16mmフィルムを同時に用いて撮影し,走査線の相互の表れ,並びに画像の優劣を検討したが,16mmフィルムで特に劣る点は見られず十分実用に堪え得るものと判断された.16mmフィルムは,管理,検索が従来の内視鏡フィルム同様に出来ること,耐用度の高いカメラを使用できることなどから,35mmフィルムによる記録より,より有用であると思われた.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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