日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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有酸例における胃過形成性ポリープ症例の検討
春間 賢徳毛 健治森川 章彦鈴木 武彦木村 学松原 秀樹吉原 正治隅井 浩治梶山 梧朗日高 徹末永 健二田原 栄一
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1989 年 31 巻 6 号 p. 1510-1515_1

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抄録

過去11年間に当施設で胃液検査を行った171例の胃腺窩上皮性過形成性ポリープ(以下腺窩上皮ポリープ)のうち,最高酸分泌量(MAO)が5mEq/h以上であった10例13病巣について検討した結果,10例中9例が女性で,7例が50歳以下と,通常の腺窩上皮ポリープと比較し女性に多く,若年傾向にあった.また,形態的に8例が単発で,胃体上部,特に噴門部に5例が発生していた.腺窩上皮ポリープでは高率に胃酸分泌の低下を認めるが,今回報告したような正酸のものもあり,それらには,女性で若年傾向,単発,噴門部に好発するなど,比較的共通する形態的な特徴が認められ,通常の腺窩上皮ポリープとは,発生要因に差異がある可能性が示唆された.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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