リニア電子走査型超音波腹腔鏡画像誘導下の腫瘍穿刺法は,通常の腹腔鏡と超音波腹腔鏡を同時に腹腔内に挿入し,肝表面上の超音波腹腔鏡探触子とテレビモニターの両者を観ながら,経皮的に超音波画像に描出されている腫瘍の狙撃穿刺を行う方法である.本法は超音波腹腔鏡で腫瘤を描出可能であれば,径1cm以上の大きさの腫瘤を確実に穿刺可能である.また肉眼的に止血を確認できるばかりでなく,止血操作も確実に行えるため,より危険少なく太い生検針も使用可能である.超音波腹腔鏡画像誘導下の腫瘍穿刺法は腹腔鏡検査の診断能を飛躍的に向上させるばかりでなく,エタノール局注療法等の治療手技にも応用可能であるため,臨床的意義は極めて大きいと思われた.