日本消化器内視鏡学会雑誌
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陥凹型早期直腸癌の2例―特に内視鏡的切除による根治の可能性について―
岡本 平次佐々木 哲二
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1989 年 31 巻 8 号 p. 2190-2195

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抄録
 直腸の陥凹型早期癌2例を経験した.症例1は10mm大のIIc+IIa型で大部分は高分化型腺癌であったが,周囲に腺腫が認められた.症例2は6mm大のIIc型で腺腫の介在はなく,高分化型腺癌で占められ,de novo癌であろう.症例1はピースミールポリペクトミーのみで根治が得られた.症例2は経肛門的に病変が切除されたが,摘出材料に癌は認められなかった.鉗子生検で癌はすべて切除されたか,生検後潰瘍のために残りの癌部分は脱落してしまったものと考えられた.すなわち陥凹性病変といえども,内視鏡的アプローチのみで根治が得られる可能性が示唆された.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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