抄録
臓器反射スペクトル法の原理に基づき,569nmと650nmの2種類の狭帯域干渉フィルターを用いて得られる電子内視鏡の画像解析から得た組織ヘモグロビン分布の画像は,正反射光の影響,光量不足などの問題点を残しているが,数々の優れたユニークな特徴を持つものである.既ち,i)二次元でのヘモグロビン分布図が得られる.ii)任意の関心領域での平均ヘモグロビン濃度(Hemoglobin Index・Hb-1)が求められる.iii)非接触法であり生理的条件下での測定が可能なこと.iv)検査手技による再現誤差のないこと.v)瞬時に連続的に測定可能であることなどである.これらは従来内視鏡的に行われている他の血流測定法にはない画期的な測定法であり,今後この分野の研究及び臨床に果たす役割は極めて大きいものと期待される.