日本消化器内視鏡学会雑誌
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ズーム式電子内視鏡(GIF-V10Z)の使用経験
安武 晃一吉村 幸男今村 諒道大家 学松下 健次時末 充奥谷 俊夫大野 繁一
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1990 年 32 巻 1 号 p. 149-153_1

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抄録
 ズーム式電子内視鏡GIF-V10Zの仕様,性能における最大の特徴は対物レンズとCCDの間に変倍レンズを装着し,倍率を連続的に変化させることが出来るズーム式となっている点である.今回,われわれは本機を47例に用いたが,1例は挿入できなかった.これは,先端軟性部が若干長いためと考えられた.なお,46例における観察病変は食道2病変,胃が48病変,十二指腸が8病変の58病変であった.本機は従来の拡大内視鏡に比較して倍率が低いが,解像力のよい画像が得られ画像解析の際に有効と思われる.また,直視鏡の欠点も有しているが,拡大観察においてズーム式が理想である点で本機はその理想に一歩近づいたと考えられる.今後の改良点は1)移動レンズの距離を現在の機種より短くしつつ.ズーム比をより高倍率にする.2)観察方式を側視から直視へ連続的に変化させうる.これらが実用化すれば本機は真の意味での拡大内視鏡となりうると考えられる.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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