日本消化器内視鏡学会雑誌
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術中開腹下における下大静脈内視鏡の試み
林 俊之鈴木 茂高崎 健中川 昌之桂 浩二羽生 富士夫小林 誠一郎
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1990 年 32 巻 1 号 p. 154-158_1

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抄録
 今年の画像診断の発達により,下大静脈腫瘍栓の術前診断は,容易になった.しかし,腫瘍栓そのものを,直接,観察しようという試みはまだない. 最近われわれは,先端にバルーンを装着した内視鏡(CHFP-10)を,下大静脈内に挿入し,腫瘍栓を自らの目で観察しようと試みた. 3例の内2例(腎細胞癌及び肝細胞癌)においては,腫瘍栓が腎静脈もしくは肝静脈から伸びだし,下大静脈内を浮遊している像が,はっきりと認められた. もう1例では,腫瘍栓は既に消失していたが,左側下大静脈の奇形と,その内部の隔壁が認められた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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