抄録
切除胃55例を対象に実体顕微鏡的拡大粘膜面観察を行い,ヘマトキシリンに濃染する,肉眼的に判別困難な微小隆起性病変,"微小隆起"を検索した."微小隆起"は17例,計53個認められ,多発傾向があり,主として,胃底腺領域・中間帯に存在した.形態は,腫大した窩間部の集簇で構成された,広基性の限局性隆起性病変で,Microphi1血管内注入による検討では,腫大した窩間部に迂曲拡張を示す多数の毛細血管が増生し,いわゆる胃のhyperplastic polypの表面微細構造,微細血管構築と類似した所見を示した.組織学的にも,隆起の長径が大きくなるにつれ,hyperplastic polypに類似した所見を示した.BrdUによる細胞動態の検索では,増殖帯の拡大,小血管のS期の内皮細胞が観察された.以上より"微小隆起"はhyperplastic polypの初期像であり,内視鏡的にいう"ポリープの芽"に相当するものと考えられた.