日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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透明チューブを用いた内視鏡的食道粘膜切除術(EMRT)
井上 晴洋遠藤 光夫竹下 公矢河野 辰幸吉野 邦英滝口 透山崎 繁丸山 道生下重 勝雄鈴木 知行伊藤 金一山際 明暢
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1990 年 32 巻 1 号 p. 37-42_1

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抄録
 食道粘膜病変の診断および治療を目的として,内視鏡的食道粘膜切除術(Endoscopic esophageal mucosalresection using a transparent tube: EMRT)を開発した.犬による動物実験では,EMRTにより切除された標本の長径を10mm以下に限定すれぼ,いずれも粘膜下層までの切除であり固有筋層に達するものは無く,もっとも注意すべき合併症である食道穿孔の危険なく食道粘膜の採取が可能であった.臨床例は2症例のルゴール不染,淡染部に対してEMRTを試み,平均7×8mmの標本を採取し,診断を目的としたEMRTの有用性を確認した.さらに犬においてEMRTを反復することにより,広範囲の食道粘膜の切除が,病変の部位や方向に関係なく可能となった(食道粘膜広範囲切除術extensiveEMRT).したがってEMRTは食道粘膜癌に対する内視鏡的治療法の1つとしても今後期待しうると考えている.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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