日本消化器内視鏡学会雑誌
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膵嚢胞性疾患における超音波内視鏡の有用性について
胡井 智川本 克久光藤 章二辰巳 嘉英渥美 正英高顕 純平児玉 正西田 博
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1990 年 32 巻 1 号 p. 29-34_1

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抄録

 過去3年間に当教室で超音波内視鏡により精査した膵嚢胞性病変16例のうち手術を施行した7例(仮性嚢胞2例,真性嚢胞5例)について,超音波内視鏡と腹部超音波の描出能を比較検討した.超音波内視鏡は腹部超音波に比べ,嚢胞隔壁,嚢胞壁の性状,嚢胞内部エコー,嚢胞と膵管や膵実質との関係がより明瞭に描出され,病理組織ともよく対応していた.即ち,高・低エコーの混在部が海綿状組織の部分に,乳頭状内腔突出像が腫瘍実質部に,微細顆粒状エコーが粘稠な内容物に対応すると考えられた.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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