日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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線状の潰瘍・発赤を呈した大腸炎の検討
―特に虚血性大腸炎と急性出血性大腸炎における比較を中心に―
前谷 容秋谷 正彦大橋 茂樹渡辺 七六吉岡 秀樹西川 邦寿高田 洋孝五十嵐 良典剛崎 寛徳伊部 晃裕藤沼 澄夫酒井 義浩
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1990 年 32 巻 1 号 p. 60-66

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抄録
 大腸内視鏡にて診断した大腸炎のうち線状潰瘍・発赤を伴う例について検討し,特に虚血性大腸炎と急性出血性大腸炎とを比較した.急性出血性腸炎は薬剤の関与の明らかなD+群および薬剤の関与はないが臨床像の類似したD-群とに分けて検討した. その結果いずれの腸炎も罹患部位やその拡がりに差はなかった.またIC群では潰瘍を合併するものが多かったが,その内視鏡像は類似していた.また発症3日以内にとられた生検標本を比較検討し,急性出血性腸炎の中にも虚血性腸炎として矛盾しない所見を呈する症例があり,鑑別は困難であった.D-群はD+群と近似したが,その所見はやや軽微な傾向を示した.急性出血性腸炎には軽微ながら虚血性病変が関与していることが示唆された.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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