日本消化器内視鏡学会雑誌
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食道静脈瘤を認めない胃弩薩部静脈瘤に対する内視鏡的硬化療法
東口 隆一徳山 猛砂川 正興錦織 ルミ子宮高 和彦坂口 泰弘中島 啓夫 彰啓山中 貴世辻本 正之大貫 雅弘
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1990 年 32 巻 11 号 p. 2657-2662_1

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抄録

 今回われわれは,食道静脈瘤を認めない胃穹薩部静脈瘤に対し内視鏡的硬化療法を行った.症例は,出血例2例と希望により行った待期例1例.方法は,内視鏡直視下に胃静脈瘤を直接穿刺し,50%ブドウ糖液を注入した後,透視下にてイオパミロン加エタノールアミンオレートを注入した.硬化療法は約1週毎に静脈瘤が消失するまで行い,全例に静脈瘤の消失をみた.副作用は,1例にヘモグロビン尿を認めたのみで9重篤なものはなかった. 胃弩薩部静脈瘤に対する硬化療法も食道静脈瘤に対するのと同様に安全に施行出来,これにより静脈瘤を消失させることが可能であった.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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