抄録
ERBDを施行した悪性胆道狭窄症例51例のべ検査回数168回を対象として,ERBD施行症例における胆汁中細菌について検討した.ERBD施行例では全例において胆汁中より細菌を検出した.菌種別では腸内細菌科およびEnterococcusが大部分を占めており,また,嫌気性菌は全体の8.4%を占めた.胆汁中の菌種数,細菌量とチューブの留置期間との間に相関は認められなかった.ERBDチューブ留置後は,早期より胆道内に1~3種の細菌が定着し,その菌種数,細菌量は経過とともに増加するのではなく,定常状態を保つが,この状態に胆汁うっ滞をおこす要因が働くと,胆道感染が惹起されると考えられる.またERBD長期維持例では,その経過中に高率に菌交代が発生するため,後期合併症である胆管炎やチューブ閉塞の予防には,抗生物質の長期投与よりも,定期的なチューブの洗浄または交換により,チューブの閉塞要因の防止につとめることが有用と考えられる.