日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
内視鏡的逆行性胆管ドレナージ法(ERBD)と胆汁中細菌第2編:ERBDチューブの閉塞機転における胆汁中細菌の役割
滋野 俊
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 32 巻 2 号 p. 345-353

詳細
抄録
 ERBDチューブの閉塞機転を光学顕微鏡的および走査電子顕微鏡的に,形態的な面から検討した.閉塞したERBDチューブ内には肉眼的に黒褐色の物質が充満していたが,これは,細菌塊よりなる層とビリルビンカルシウム等を含有する光顕では褐色顆粒状の,電顕では網目状構造物の層とが,交互に積み重なり年輪様の層構造を呈していた.胆汁中に浸漬したERBDチューブの経時的な観察より,留置されたERBDチューブ表面には,まず細菌が増殖して集落を形成し,その上にビリルビンカルシウム等を主成分とする物質が堆積し,この過程が繰り返されることで,チューブ閉塞が進むものと推察され,チューブの閉塞には,胆道内の細菌が大きく関与していると考えられた.また胆汁流量の寡多はERBDチューブ閉塞の重要な要因の1つと考えられる.したがって細菌が付着,増殖しにくいようなERBDチューブの材質の検討や胆汁流量を多く保つことが,チューブの閉塞までの期間を延長させる可能性が推察された.
著者関連情報
© 社団法人日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top