日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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DNA polymerase alphaが陽性の肝細胞と腹腔鏡の肝表面像との対比
関 守一坂口 浩樹川北 啓喜柳井 篤金 鎬俊大竹 宏治羽生 大記倉井 修西口 修平塩見 進溝口 靖紘小林 絢三針原 重義
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1990 年 32 巻 2 号 p. 414-421

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抄録
 新しい肝細胞再生のマーカー・DNA polymerase alphaを生検肝組織上で免疫組織化学的に染色し,肝細胞の再生・増殖能を検索した.この検索結果と腹腔鏡の肝表面像を比較・検討することにより肝表面における肝再生の旺盛な部位の究明を試みた. その結果,小陥凹を形成する型の急性肝炎では,小陥凹の辺縁周囲部において強い肝再生像が認められた.慢性活動性肝炎では赤色紋理に隣接する肝実質部において強い再生像が見られた.肝硬変症では,個々の偽小葉結節ごとにpolymerase陽性肝細胞数に差異がみられ,各々の結節により肝細胞の再生・増殖能に相違が認められた.しかしながら,陽性肝細胞数の多い結節の肉眼的特徴は,明らかにし得なかった.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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