抄録
症例は,76歳女性.昭和55年頃,近医の内視鏡検査で逆流性食道炎と診断.以後,不定期に経過観察中,昭和63年の内視鏡検査時,逆流性食道炎像(Savary and Miller病期III)に加えて,食道下端から噴門にかけて,多発する最大径14mmの大小多数の隆起性病変の出現を認めたため,精査目的で当科入院.食道側隆起性病変の生検では,基底細胞の増生,上皮乳頭の延長に加えて,著しい炎症細胞浸潤と肉芽の増生を認めた.入院後,H2-blockerによる治療を開始した所,1カ月後の内視鏡検査時に,食道側ポリープは消失していた.胃食道粘膜接合部胃側の隆起性病変のpolypectomyでは,腺窩の拡大延長と炎症性細胞浸潤が認められた.本例は逆流性食道炎の症例に発生した,inflammatory esophagogastric polypと考えられた.ポリープ消失の機序として,H2-blockerによる炎症の消腿及び種々の挿管検査による脱落が考えられた.