日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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陥凹型進行胃癌の超音波内視鏡(EUS)診断能の検討
長南 明道望月 福治池田 卓豊原 時秋藤田 直孝李 茂基長野 正裕矢野 明小林 剛安藤 正夫木村 克巳松永 厚生渡邊 浩光木村 和男佐藤 玄徳
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1990 年 32 巻 3 号 p. 493-501

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抄録
 過去2年1カ月間に当センターでEUSが施行され,組織学的検索がなされた陥凹型進行胃癌37例を,EUS上,腫瘍塊を形成する腫瘤型と,第3,4層の著しい肥厚を呈するが層構造の保たれている非腫瘤型に分類し,その深達度診断能およびEUS像について検討し,以下の結論を得た. 1)EUS深達度診断能は,腫瘤型ではpm癌55 .6%,ss癌50.0%,se癌83.3%,sei癌66 .7%の正診率であった.非腫瘤型では全例深達度ss以下と診断可能であったが,ssかseかの鑑別は不可能であった.2)EUS像をみると,fusion(-),内部エコー均一,第3層の途絶形態は中断型が多かった.また,肉眼型別には,Borrmann 2型は左右対称,境界明瞭のものが,Borrmann 3型は左右非対称,境界不明瞭のものが,IIc様進行癌は左右対称,境界不明瞭のものが多かった.3)癌実質・間質結合織の量比とエコーレベルの関係をみると,髄様型ではエコーレベルの比較的高いものが,硬性型では比較的低いものが多かった.4)EUS上,深達度が深くなるほど,発育形式は胃内型から胃外型となる傾向を認めた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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