日本消化器内視鏡学会雑誌
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潰瘍性大腸炎の経過中にDouble Pylorusを認めた1例
大門 佳弘小緑 英行板野 晃也原口 靖昭田仲 謙次郎吉田 隆亮
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1990 年 32 巻 3 号 p. 622-627

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抄録
 症例は35歳男性.潰瘍性大腸炎に対する内科的治療中に十二指腸潰瘍を発症.その後,抗潰瘍薬による治療も並行して行われたが1年後の内視鏡検査で胃幽門部小彎に十二指腸球部に通じる本来の幽門輪とは別の交通路を認めた.以上の所見より,十二指腸潰瘍に続発したdouble pylorus(重複幽門)と診断した.全身性エリテマトーデスや慢性関節リウマチなどの基礎疾患を有する場合に,抗炎症性鎮痛薬,副腎皮質ステロイド薬の使用で消化性潰瘍よりdouble pylorusを発症した報告がある.自験例においても基礎疾患の潰瘍性大腸炎によるストレスと薬剤(sulfasalazine)が十二指腸潰瘍の発生,悪化を来したと考えられた.消化性潰瘍は潰瘍性大腸炎の合併症の1つに数えられているが,今回の症例は治療中に上腹部愁訴を発現した場合には上部消化管の精査が必要なことを教示した1例であると考えられた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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