2019 年 46 巻 2 号 p. 247-258
【目的】2008年度より各種検査項目に腹囲を加え、メタボリックシンドローム健診(特定健診)を実施している。今回、2008年度を基準とし、8年後の2016年度の各種データを男女別・腹囲別・服薬状況別に分析検討する。
【対象】対象は全国主要都市に居住する商工会議所ならびに大企業の健診受診者を対象に2008年度18,482例(男性、46.21±10.97歳の14,285例、女性、41.14±10.15歳の4,197例)、2016年度22,948例(男性、45.98±12.06歳の17,846例、女性、41.26±10.87歳の5,102例)である。
【方法】2008年度と2016年度について腹囲、収縮期、拡張期血圧、T-CHO、HDL-C、中性脂肪、LDL-C、血清血糖、HbA1cの各検査値を両年度で比較検討した。
【結果】2008年度を基準に2016年度各種検査を男女別について検討した結果、2016年度で値が低値を示した項目は男性で7項目、女性では6項目であった。腹囲測定から各検査値を検討すると、男性 85cm未満で7項目、85cm以上で7項目。女性では 90cm未満で7項目、90cm以上で同様に3項目に見られた。さらに年代別に於ける各項目を腹囲から両年度の比較検討をおこなった。
【考察】2008年に特定健診が開始されてから8年後の健診結果を各項目と比較検討した結果、2016年度で有意に低値を示した検査項目がみられ、受診者のメタボリックシンドロームに対する健康志向が功を奏しているものと示唆された。