日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
長期間経過観察した粘液産生膵腫瘍の2例― 膵管像の経時的変化を中心に―
小原 剛高井 幸裕高野 英哉蘆田 知史小野寺 隆一浦 等斉藤 裕輔竹村 清一岡野 重幸柴田 好岡村 毅與志並木 正義松田 英郎矢吹 英彦江端 英隆水戸 迪郎
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 32 巻 3 号 p. 632-637

詳細
抄録
 4年間の長期にわたり経過を観察した粘液産生膵腫瘍の2症例につき,主にその膵管像の変化を中心にretrospectiveに検討したので報告する.症例1は68歳の女性で,尾部主膵管の限局性拡張を呈し慢性膵炎として経過をみていたが,4年後に主膵管のびまん性拡張と特徴的な乳頭所見を認め,手術を施行した.組織学的に膵尾部の乳頭腺腫であった.症例2は87歳の女性で膵体部の嚢胞性病巣と膵管像は4年間で大きな変化をみせなかった.胆管癌にて死亡し,剖検で膵体部の膵管分枝に膵管内に限局して発育する乳頭腺癌を認めた.粘液産生膵腫瘍の乳頭所見と膵管像は主に産生される粘液の量により修飾され,組織学的悪性度とは必ずしも一致しない.また,主膵管の限局性拡張は本疾患の初期像と考えられ,本疾患の初期のものは慢性膵炎との鑑別が重要である.
著者関連情報
© 社団法人日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top