日本消化器内視鏡学会雑誌
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胃海綿状血管腫の1例
小嶋 信博唐沢 洋一坂田 暉英
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1990 年 32 巻 4 号 p. 892-899_1

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抄録
症例は51歳,女性.胃癌検診にて異常を指摘され受診した.腹部X-Pで本症に特徴的な"静脈石"を認め,内視鏡にて穹窿部にbridging foldをもつ比較的限局した隆起性病変の中に暗紫色の数珠玉状の突起が見られ,超音波内視鏡では不整形の低エコーの中に線状エコー,音響陰影を引く高エコーがみられた.これらの術前検査および術中所見から,胃血管腫と診断,穹窿部楔状切除を行った.切除標本の病理組織的検索では主として固有筋層,一部粘膜下層及び漿膜下層を占める海綿状血管腫で,太く肥厚した導出静脈と連結していた.消化管における血管性病変の頻度は低く中でも胃に発生する血管腫は稀であり,本邦では1988年までに90例が報告されているのみである.本症を生検により診断する事は出血の危険を伴い困難であるが,病歴,検査所見を総合すれば診断は可能であり,特に超音波内視鏡は腫瘤の性状・深達度を知るうえで有用な検査法であると思われた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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