日本消化器内視鏡学会雑誌
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治癒過程を内視鏡的に観察しえた特発性食道破裂の1例
石川 巧東野 正幸大杉 治司井上 清俊前川 憲昭徳原 太豪谷村 慎哉福長 洋介綛野 進木下 博明橋本 寿雄
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1991 年 33 巻 12 号 p. 2614-2619_1

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抄録
症例は59歳男性.食物残渣の嘔吐に引き続く吐血により発症した.食道内視鏡検査と上部消化管造影で食道破裂と診断したが,縦隔気腫,膿胸が見られないため保存的に経過をみた.以後,第17病日に破裂部の閉鎖が観察されるまで内視鏡検査により治癒過程を詳細に観察することができ,また24時間食道内pH測定結果により胃食道逆流症の併存も確認しえた.本例は,縦隔内に限局した食道破裂が非観血的に治癒しうることを示唆する症例であると思われた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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