抄録
胃癌,胃潰瘍症例の超音波内視鏡(以下EUS)像のテクスチャー解析による数量的鑑別診断はすでに報告した.本稿では胃粘膜下腫瘍(平滑筋腫(LM):4例,迷入膵(AP):3例,悪性リンパ腫(ML):2例)の各疾患群間の数量的鑑別診断を行った.これらは生検診断した迷入膵2例,悪性リンパ腫1例以外は手術施行例である.EUS施行時に装置の条件を一定にし,ラジアル型を使用した.プローブと病変との距離を2.5cmとし,病変内にコンピューター処理に用いる関心領域(ROI)を10個ずつ画面の0時,6時,9時方向に設定した.それらについて濃度差統計法の8つの統計量を計算した.分散分析にて検定し,4つの統計量で3つの疾患群相互間に有意差を生じた.これは,内部エコーの相違が各疾患で有意差を示し,数量的に鑑別可能であることを表しており,テクスチュー解析のEUS像における定量的鑑別診断への有用性が示唆された.