抄録
肝硬変の進展に伴う結節の大きさと数の変化を検討した.剖検肝組織の再構築による検討から,結節はその一部が相互に癒合しているが,全体として形状はほぼ球状と考え得た.肝硬変163例を対象に,腹腔鏡下に測定した結節径を病期別,病因別に検討した結果,完成した肝硬変期では前硬変期の,B型で3.3倍,非A非B型(NANB型)で2.3倍,アルコール性(ア性)で2.2倍に増大していた.163例中CTで肝容積を測定しえた114例では,完成した肝硬変期では前硬変期と比較してB型で30%,NANB型で25%,ア性で10%の縮小がみられた.更に73例を対象に肝容積,肝実質比,結節径から計算した肝内総結節数は前硬変期に比し完成された肝硬変期ではB型で1/40,NANB型で1/13,ア性で1/12と著明な減少を認めた.肝硬変はその成立後も肝壊死によると思われる結節の脱落が起こり,一方では脱落を免れた結節の肥大が続き,全体として,肝容積は減少していくことが示唆された.