日本消化器内視鏡学会雑誌
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短期間に著明な肉眼形態変化を来たしたIIc+IIa型早期胃癌の1例
福光 真二時田 和彦伊勢谷 和史若林 直樹小西 英幸上平 博司福田 新一郎布施 好信児玉 正加嶋 敬中野 融
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1991 年 33 巻 4 号 p. 746-750_1

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抄録
 陥凹型早期胃癌は,悪性サイクルとして形態変化をおこすことが知られている.今回,III+IIC型早期胃癌が陥凹を有さない著明な隆起となり,さらにIIc+IIa型に変化した特異な1例を経験した.症例は79歳の男性,胃内視鏡検査にて胃角部後壁に潰瘍性病変を認めた.H2プロッカーなどの抗潰瘍剤を投与したところ,2カ月後に潰瘍は瘢痕化したが,さらに4カ月後の検査で同部位に隆起性病変が出現した.隆起部からの生検組織は高分化型腺癌であった.その後隆起部は急激に縮小し,最終的にIIc+IIa型早期胃癌の形態となった. 切除標本の組織像では,深達度は粘膜固有層までで,粘膜下層に著明な線維組織が認められた.組織学的に推測すると,隆起部は癌成分から構成されていたと考えられた.本症は陥凹性早期胃癌が悪性サイクルの枠をこえて変化したきわめて稀な例と考え報告した.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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