日本消化器内視鏡学会雑誌
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エタノール局所注入療法が有効であった十二指腸血管腫の1例
天羽 康雄橋本 不動志高橋 好朗田中 俊夫村上 隼夫伊藤 忠弘
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1991 年 33 巻 5 号 p. 962-965_1

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抄録

症例は20歳,男性.主訴は下血.内視鏡検査にて十二指腸下行脚に表面平滑,赤色調の山田2ないし3型の隆起性病変を認め,生検にて毛細血管性血管腫の診断を得た.諸検査では他部位には異常を認めなかった.出血源は本病変で,再出血の可能性もあると判断し,99.5%エタノール局所注入を施行した.以後,隆起性病変は消失し,出血も認められず,当症例に対し本治療法が安全かつ有効であると考えられた.一方,本邦における十二指腸血管腫の報告は5例と少なく,しかも何れも海綿状血管腫であり,十二指腸の毛細血管性血管腫は当症例が本邦初報告例と考えられた.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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