日本消化器内視鏡学会雑誌
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胃潰瘍再発に関する臨床的検討
芦原 毅三橋 利温安海 義曜西元寺 克禮岡部 治弥
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1991 年 33 巻 6 号 p. 1128-1142

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抄録
消化性潰瘍の全体的なかつ長期的な予後を探ることを目的とし,潰瘍の確認後3年以上の経過を追跡しえた592例の胃潰瘍について,その累積再発率を検討した.上記症例を初回治療にヒスタミンH2受容体拮抗剤を使用した群(H2-B群)とその他の薬剤を使用した群(従来法群)に分け,更にその2群について潰瘍治癒後にも通院しつづけたものを通院群とし,通院していないものにはアンケート調査を行いその返答の得たものをアンケート群とし,計4群に分類した.従来法通院群の累積再発率は,H2-B通院群に比し明らかに高率であった.アンケート群の再発率は,従来法群,H2-B群のいずれも通院群より非常に低率であった.通院群において通院様式別に検討すると従来法群でもH2-B群でも,治療中断群に比較して治療継続群に累積再発率は低かった.H2-B通院群の治癒後の経過中や治癒確認時にS2stageであった症例では,累積再発率が低率であった.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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