抄録
われわれは消化管粘膜表面に特定のパターンを投影し,その撮影画像を処理・解析することにより病変の三次元形状を定量的に計測するシステムの開発を行ってきた.前回報告した実験で,システムの基本的な構成はほぼ完成しているが,レンズの歪曲収差およびパターンエッジの検出誤りによる計測誤差が問題となることが判明した.今回,この2つの問題の解決をはかった.レンズの歪曲収差については,単純なモデルを用いて歪曲収差の補正方法を導出し,実際の計測において十分な補正結果を得ることができた.また,パターンエッジの検出誤りについては,投影パターンにカラースリットパターンを用いることにより検出誤りを減少させ,さらに誤りの修正を行う方法を考案した.パターン投影法による三次元形状計測を行うには,従来の電子内視鏡の照明装置に一枚のパターンフィルムとレンズ系を組み込むだけでよいため,比較的容易に実現が可能であると思われる.