日本消化器内視鏡学会雑誌
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潰瘍性大腸炎に合併した早期結腸多発癌(陥凹型を含む)の1例
崎村 恭也半田 祐一三好 和夫佐藤 忠敏兼子 耕内田 信之佐野 義明
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1991 年 33 巻 7 号 p. 1424-1434_1

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抄録
 潰瘍性大腸炎に合併した早期結腸多発癌の1例を報告する.患者は46歳女性,1982年に血便出現,近医で潰瘍性大腸炎の診断を受け,以後サラゾピリン,プレドニゾロンで加療され寛解状態が維持されていた.1985年転院を契機に注腸及び大腸内視鏡検査を施行したところ,全結腸型潰瘍性大腸炎(活動性)の所見と肝彎曲部に径2cm大の隆起性病変(高分化腺癌)が認められた.全結腸型潰瘍性大腸炎に合併した結腸早期癌と診断し,大腸全摘術,回腸瘻造設術を施行した.組織学的検索でm癌6個,sm癌2個,計8個の癌病巣を認めた.癌は隆起型を示すcarcinoma in adenomaと,陥凹型,平坦型を示すものとがあり,組織学的にも高分化型から低分化型までと多彩であった.癌病巣の周囲にはdysplasiaがあるものがあった.病理組織学的検索と切除固定標本,内視鏡写真とを比較検討した結果,陥凹型の癌は切除標本では浅い陥凹として,内視鏡写真をretrospectiveにみることにより陥凹性病変の一部を確認する事が出来た.本例は潰瘍性大腸炎と癌の発生の関連(特にdysplasiaとの関連)が示唆され,陥凹型癌であるという形態学的特徴が癌の発生に関して多くの問題を提起しており,興味ある症例であった.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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