日本消化器内視鏡学会雑誌
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肝硬変患者における大腸vascular ectasiaに関するprospective study
大川 清孝青木 哲哉池田 雄子森吉 靖子大谷 健二郎正木 恭子木岡 清英進藤 嘉一根引 浩子宋 健二山田 英明針原 重義小野 時雄門奈 丈之北野 厚生小林 絢三
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1992 年 34 巻 1 号 p. 48-56_1

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抄録

 約2年間に50例の肝硬変患者に対してtotal colonoscopyを施行し,大腸vascular ectasiaに関して,prospectiveに,臨床像,背景因子の検討を行い以下の結論を得た. 1.50例中22例,44%にvasculare ctasiaを認めた.内視鏡像は,クモ状血管腫に似た像を示すことが多かった. 2.全大腸に分布するが,とくにS状結腸から横行結腸にかけて多くみられた.本症は多発することが多く,大きさはほとんどが1cm未満であった. 3.非代償性肝硬変,および肝予備能が悪い症例に有意に多くみられた.一方,門脈圧亢進の程度とは有意の相関はなかった. 4.体表のクモ状血管腫および血中エストラジオール値とは有意の相関はみられなかった. 5.肝硬変,とくに非代償性肝硬変の下部消化管出血の原因となっている可能性があり,今後の検討を要する.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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