抄録
prospectiveに内視鏡的に観察した564例中61例(11%)に1cm以下の食道小発赤斑を認め,年齢と共に頻度が増加する傾向がみられた.ルゴール染色では濃染するものは35例(57%),正染4例(7%),淡染10例(16%),不染12例(20%)であった.生検をおこなった25例中20例(80%)に炎症細胞浸潤あるいは基底細胞層の増生や乳頭の延長などの食道炎の所見が認められ,孤立性食道炎が多数存在することが示唆された.生検組織像との対比よりルゴール染色にて濃染あるいは淡染するもの,および不染でも辺縁に全周性にケバ様濃染像を認めるものは食道炎と考えられた.ルゴール不染で辺縁にケバ様濃染像のない1例は癌であり,一部のみにケバ様濃染像を認めた1例はdysplasiaであった.小発赤斑のうちルゴール不染で辺縁にケバ様濃染像を全く認めないか,一部のみに認められものを生検することにより,内視鏡的治癒の対象となる小食道癌を効率よく発見できる可能性が示された.