抄録
慢性膵炎の乳頭部機能を検討するため,慢性膵炎23例の十二指腸乳頭部内圧を内視鏡下に測定した.また,慢性膵炎27例に肝胆道シンチグラフィーを行い,胆管影出現から腸管影出現までの時間(CD時間)を求めた.慢性膵炎群では不規則な内圧波型例が有意に多く,収縮期圧,拡張期圧,波型と基線で囲まれた部の単位面積(index A),波型と波の谷を結ぶ線で囲まれた部の単位面積(index B)は,数値を平均±標準偏差値で示すと,対照13例で28.3±8.3mmHg,19.5±7.6mmHg,6.1±1.7cm2/分,1.7±0.9cm2/分に対し,慢性膵炎群では48.9±16.1mmHg,33.9±14.3mmHg,10.4±3.2cm2/分,3.1±0.9cm2/分と有意(p<0.01)に高値であった.次に,CD時間は,対照24例で18.5±17.3分に対し,慢性膵炎群で44.1±22.4分と有意(p<0.01)に延長しており,慢性膵炎では乳頭部機能異常があり,これが膵炎発生の一因になりうると考えられた.