抄録
大腸粘膜の拡大観察の有用性はファイバースコープ時代より既に認められているところである.一方電子内視鏡は6年前に開発されて以来,画像処理・解析による客観的診断化が進められている.今回新たに開発された試作拡大電子内視鏡CF-V200HMは,通常の大腸電子内視鏡CF-V200と同様の10万画素の高解像力に加え,最大50倍の拡大観察能を有している.われわれの施設でも本器種を臨床に用いる機会を得て,大腸隆起性病変28例に拡大観察を施行し,画像処理を試みた.その結果,本器種は操作性や観察能に関して,通常の大腸電子内視鏡に匹敵する機能を備えていると考えられた.最大50倍の拡大観察では,個々の腸腺口が明瞭に認識でき,腸腺口の配列パターンをより確実に分類することができた.また拡大観察後にカラー空間における強調処理を導入することで,腺口境界のコントラストがさらに明瞭となり,客観的診断の可能性を向上できるものと評価された.