地下水学会誌
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PFASばく露による健康リスク評価の最近の動向
広瀬 明彦
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ジャーナル オープンアクセス

2026 年 68 巻 1 号 p. 79-87

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抄録

PFAS化合物に関して最近のリスク評価における健康影響評価値の設定手法に関する各国の動向を紹介する。米国EPAでは,動物試験の結果を用いた2016年のPFOS及びPFOAの暫定値を再評価し,2024年に疫学研究を基にして,第一種飲料水規則による極めて低濃度のPFASの基準値(MCL)を設定した。さらにPFHxS,PFNA,HFPO-DA及びPFBSについてもMCL又はMCLGを設定した。欧州では,EFSAが2018年に続いて2020年にPFASの再評価を行い,PFOA,PFNA,PFHxS及びPFOSの4種合計ばく露量による耐容摂取量の設定を行った。また,同年に飲料水などの管理について20種類のPFASの合計値をモニタリングするEU指令の決定に加えて,2022年からは環境水の品質基準である水枠組み指令では24種類のPFAS類の複合ばく露評価法を提案している。我が国では食品安全委員会によりPFOS及びPFOAの耐容一日摂取量が算定された。欧米では,同時に複数のPFASばく露を念頭にしたリスク評価が行われるようになってきていることに加え,疫学データの採用が増えてきている。

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