抄録
今回われわれは,デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)投与による実験的大腸炎モデル(5%SS投与による急性群並びに2%DSS投与による慢性群)を作成し,その継時的内視鏡所見並びに組織学的検討,糞便の検索を行った.その結果急性群においては7日目の内視鏡所見にて直腸に出血,潰瘍が認められた,病理組織学的には,直腸に著明な炎症が認められそれより口側の大腸においては炎症の程度はより軽度であった.慢性群については,内視鏡所見及び病理学的所見ともに急性群に比して所見の程度は,軽度であった.われわれの用いたDSSによる大腸炎モデルは従来のモデルより深部大腸に比し直腸に強い炎症がみられた.このことは,実際の潰瘍性大腸炎も直腸より病変が始まることから,われわれのモデルはより潰瘍性大腸炎に近い病態であると考えられた.