抄録
透視下の内視鏡的乳頭括約筋圧測定により,膵胆管合流異常症における乳頭機能を胆管拡張群・非拡張群・コントロール群別に検討した.(1)共通管の長さは拡張群16.5±3.1mm・非拡張群24.6±2.0mmで,非拡張群が長い傾向にあった.乳頭括約筋波は乳頭開口部から拡張群で11.6±1.2mm・非拡張群で12.4±1.5mmまでみられ,1例を除き合流部には乳頭括約筋波はみられなかった.この乳頭括約筋の長さは両群間さらにコントロール群(10±1.5mm)との間に有意差を認めなかった.(2)乳頭括約筋圧は拡張群とコントロール群の収縮期圧にのみ有意差を認めた(105.7±13.6vs55.2±4.3mmHg,p<0.005).(3)塩酸モルヒネ投与により合流異常においてもコントロール群と同様の反応がみられたが,1例で急性膵炎が発生した.合流異常では乳頭括約筋の収縮が合流部におよばないため,膵液と胆汁の相互混入がおこり,胆道・膵に種々の病態がひきおこされると考えられる.